こんにちは。アラカン主婦の霜月です。
前回、前々回と私がモノを手放したお話を書きました。私が生前整理を兼ねて始めた片づけ、そしてミニマリズムに目覚めて以降の片づけで、本当に多くのものを手放しました。
さて、今までいくつもの記事で、ミニマルライフ、ミニマリズム、ミニマリストという言葉を使ってきましたが、そもそもミニマルって何なのでしょう。
ミニマルによく似た言葉にミニマムがありますが、違いはなんでしょう? ミニマムライフという言葉も見聞きしますね。
シンプルライフとミニマルライフも同じなの?という疑問もあります。
私も、自分の中でどう区別しているのか考えたり、調べたりしつつ、自分なりのミニマルライフを定義してみたいと思います。
「【生前整理】シニア・ミニマリストが手放したもの8つ」
「【ミニマルライフへ】シニア・ミニマリストが本当に手放したものは?」
「シニア主婦がミニマルライフに至るまで」
ミニマルとミニマムは違う
まずは、ミニマルとミニマムの違いを調べてみましょう。
- minimum(ミニマム):(比較なし) 最小の,最小[低]限の
- minimal(ミニマル):最小(限度)の、極小の、極微の
(研究社 新英和中辞典より)
正直、辞書の説明では違いがまったく分かりません。しかも、調べてみると、英語では明らかに違う言葉なのに、日本語では使い方の区別がはっきりとついていないらしいということも、分かりました。
もう少し分かりやすい説明が、Wikipediaにありました。
ミニマルとミニマム
ミニマム(英: minimum)と語感はそっくりでも、英語では完全に区別して用いられる。ミニマルは形容詞、ミニマムは形容詞としてだけでなく名詞としても使われる。
形容詞としては、ミニマルは単に「必要最小限」「最も小さい/少ない」という意味で使われ、ミニマムは「ある定められた範囲における最小限」を指す意味で使われる。たとえば「目的の時刻・場所に着くための最低速度」は前者、「法定最低速度」は後者である。使い方によってニュアンスの大分異なる単語であるため、英語圏での使用、使い分けには注意が必要である。
この説明や、英語での使い方や例文を読んで、私がどのように理解したかを、ざっくりと書かせて頂きます。
ミニマムは絶対的な最小、ミニマルは相対的な最小ということです。つまり、ミニマムはミニマルに含まれるけれども、逆はないということです。
辞典でも、ミニマムは「(比較なし)最小の」とありますよね? 対して、ミニマルは「最小(限度)」となっています。
もっと分かりやすく言えば、「10個以下の持ち物で暮らす=ミニマム」という基準があるとすれば、11個以上の人はミニマムではありません。でも、ミニマルの場合は、10個でも、11個でも、20個でも、それが「その人にとっての必要最低限」であればミニマルであるという感じです。
つまり、その人が「これが私の最低限」と思う量で暮らしているのが、ミニマル主義の人=ミニマリストだと思います。そもそも、独身で一人暮らしの人と、家族で暮らしている人では、持ち物の最低限が違うのは当然です。
もちろん、少なければ少ないほどいいというわけではなく“自分にとっての”最低限ですので、「TVは捨てるべき」とか「写真は全部手放せ」、あるいは「趣味のものを持つなんてミニマリストじゃない」というのは、的外れな指摘です。持つのも持たないのも、その人の価値観次第だと思います。
そして、もし「ミニマムライフ」というものがあったら、生きて行くための最低限のモノだけで生活している、かなり窮屈な暮らしと言えるでしょう。持ち数的には、修行僧のような生活ならミニマムライフと言えるかもしれません。
ちなみに、ミニマムの対義語がマキシマムで、「最大。最高。最大限。最高度」という意味です。「興奮度マックス」などどいう時のMAXは、マキシマムの短縮形ですね。
多くのものを持つ人を、マキシマリストと呼んだりもします。より多く持つことに意義を感じる人たちです。
私は、マキシマリスト=悪とは思いません。世の蒐集家の方々は、皆マキシマリストと言えます。美術品や骨董、切手などの定番品から、アイドルグッズや薄い本まで、趣味は人それぞれですから。自分のコレクションを愛でて幸せならば、それでいいと思います。
ただ、多くのコレクションに埋もれて管理しきれない状態、持つことにストレスや罪悪感を持つようなら、やはり問題だと思います。
よく不要なモノを溜めこんでいる人が、マキシマリストを自称していたりしますが、主義主張なく、単に不用品やガラクタが多い場合はホーダー(hoarder=溜めこむ人)というのではないかと思います。
シンプルライフとも違う、ミニマルライフ
では、もうひとつの疑問、ミニマルとシンプルの違いについて考えてみましょう。
- simple(シンプル):簡素な、凝ってない、地味な、質素な
- minimal(ミニマル):最小(限度)の、極小の、極微の
(研究社 新英和中辞典より)
シンプルとミニマルでは、かなり大きな違いがあることが分かります。シンプルに、数は関係ないということです。
では、ミニマルライフとシンプルライフは、どう違うのでしょう?
ミニマリズムとは、最小限主義とも呼ばれています。もともとは、1960年代に美術や建築の分野で生まれたといわれていますが、無駄な装飾を排することによって何かを強調するという、究極にシンプルな表現方法です。
モノが少なくても、こだわるものや片寄りがない簡素な暮らしは、シンプルライフだと思います。強調したいものが特にない、ニュートラルな暮らしです。ホテルの部屋のような居心地の良さを感じます。
ミニマルライフは、基本的にはシンプルライフに含まれるとは思いますが、究極のシンプルライフです。何かを強調するために無駄なものを排除するのがミニマリズムなので、こだわりが多いです。ひと癖ある生き方です。
自分が大切にしたいことのために、それ以外を最小限にする。いつも同じ服を着ていたり、同じものを食べていたり、何もない部屋に住んでいたり。
そうかと思えば、食にこだわる人、服にこだわる人、インテリアにこだわる人もいます。仕事や趣味に打ち込む人がいれば、何もしないことに意義を見出す人もいます。
強調したいもの=自分が大切にしたいものは、人それぞれなのです。ミニマリストに個性的な方が多いのは、そのためかなと感じます。
シニアが目指す、ミニマルライフとは?
では、アラカン主婦の私が目指すミニマルライフって、なんでしょうか?
人生の先が見えてきたシニアの私が今一番大切にしているものは、時間です。なので、私は探し物の時間、迷う時間、余計な掃除の手間、不必要な社交、なんとなく見るTVなどの「時間泥棒」が嫌いです。
反対に好きなこと、本を読んだり、ブログを書いたり、舞台を観たり、自然を愛でたり、家族や友人との心地よい時間や、高齢の母と過ごす時間を大切にしたいです。
自分にとって大切なことのために、それ以外のことに時間と手間を割くのを、私は止めました。丁寧な暮らしは手放し、合理的な暮らしに舵を切りました。
念のために書きますが、丁寧な暮らしを否定しているわけではありません。日々の暮らしを楽しむために、ミニマリストになっている方も多いです。私も丁寧な暮らしに憧れはありますが、それをするには時間が足りないのです。
元気なうちに、やりたいことをやり切りたい、後悔を残したくないという気持ちが強いのかもしれません。ミニマルに暮らしたいくせに、ちょっと欲深すぎますね。
ただ、義務的に行う家事は好きではありませんが、決して家事そのものを憎んでいるわけでもありません。お料理を作るのはけっこう好きです。でも、洗い物は嫌いなので、食洗機を使っています。洗濯は好きですが、アイロンがけが嫌いなので、ノーアイロンの服を選んでいます。
シニアの私が目指す「ミニマルライフ」は、自分にとっての不要なモノを手放して、好きなことをしながら、ストレスなく暮らしを楽しむというライフスタイルです。
そのために、不要なモノやコトを排除しているのかもしれません。
ミニマリズムというと、冷たく尖ったイメージを抱く方もいるかもしれませんが、私は心地の良さとミニマルライフは両立すると思います。ただその心地の良さが自分個人のもので、普遍的なものではないということです。
ミニマリストはポリシーを持ち、自分軸で生きている人々です。だから変人と言われようが平気です。他人の批判を恐れません。
正直、私はメンタルが虚弱なので、まだその境地まで至っていないと思いますが、自分軸で心地よく生きたいと思っています。家族が許容してくれる範囲内でですが、これからもミニマルライフを実践していこうと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。アラカン主婦の霜月でした。